人生論

 

人生論

 

 

 

はじめに

 

無名な私が人生論を書きました。今まで生きてきた人生観をぶつけてみました。

 

この本は、私の人生の先生である小林さんという方と、私の母から聞いた話が基になっています。こうした話を私なりに解釈し、さらに私自身の独自の思想や経験から学んだことを加え、執筆しました。本当は、小林さんや母からは、本書で書いた以上にもっと厳しい教えがありますが、一般的ではないと思いますので、省略しました。

 

小林さんの生年月日は不明です。1984年、79歳で名古屋市で亡くなりました。小林さんの教えは特に宗教色の強いものではなく、独自の世界観を持っており、その教えは実際の生活に直接役立つものでした。また小林さんは三明六神通を会得した大神通力者、別の言い方をすれば超能力者のような方で、自分の人生や他人の人生、自然界で起こっている現象、政治、経済、社会現象に至るまで、全ての疑問に的確に答えてくれる方でした。私は20年の付き合いでしたが、小林さんのような方は、世界広しといえど、他にはいないと思います。

 

小林さんには1冊の著書もないので、本の最後に、小林さんの言葉で覚えていることをいろいろ書きました。この本の声が小林さんや亡き母に届くことを祈ります。

 

 

 

人間とは何か。

 

大宇宙には数えられない星があり、その一つに地球があります。その地球上の生物の一つが人間です。人間は、大宇宙、大自然界の一員として、存在しており、大自然界の法則に従って、生かされております。

 

人間は万物の霊長と申しまして、感情を持つ動物です。故に人生は難解、複雑であり、疑問だらけであります。一層のこと、人間も地球も宇宙も何もなく、何も存在しなければ、問題は生じなかったと思います。

 

しかし、現実にはこの宇宙は存在してしまっている。そしてこの宇宙に存在するもの全ては、存在する意味があるのです、理由があるのです。人間も存在理由がある、別の言い方をすれば、使命を持って生きている。従って、人間は大宇宙の一員として、大自然界の法則により与えられた使命を果たすために生きています。

 

本書では、人間とは何かについて、考えたいと思います。

 

 

 

因果の法則

 

因果の法則の原理

 

大宇宙の法則、大自然界の法則は、因果の法則です。この世の中、必ず原因と結果があります。宇宙ビッグバンの結果、宇宙が誕生した。太陽、地球の誕生も原因があります。地球上における大自然の誕生、大自然の恵みを受けた植物、生物、動物の誕生、皆原因があります。

 

動物は誕生してから進化して、感情を持つようになります。さらに人間にまで進化すると感情は発達します。人間は感情の動物です。最近の研究では、感情を生み出す脳の働きが解明されているようです。物理的には感情の原因は脳にあるかもしれませんが、その脳は何が原因で感情を生み出しているのか、そこの部分がわからない。感情を生み出す原因は、脳ではなくて人間の心、魂であると考えます。

 

人間は見た目は人間という動物ですが、各自が持つ魂が人間の本質です。人間の肉体は死ねば滅びますが、魂は永遠に不滅です。人間は、過去、現在、未来と全て因果の法則で結ばれますが、因果を結ぶものは、魂です。魂は、過去からの因縁を全て受け継ぎ、この世に生を受ける人間に宿ります。

 

人間の人生、どのような感情を持って生きるか、その情報は魂に刻まれます。さらにどの様に生きるか、それも魂に刻まれると推測します。また、魂と人間が生活する大自然界とも因果の法則で結ばれています。例えば感謝してよい感情を持てば魂に刻まれ、生活に良い結果が生まれる、怒ったり恨んだりすれば魂に刻まれ、生活に悪い結果が生まれます。人生清く正しく生きてまじめに働けば、魂に刻まれ人生に良い結果が生まれ、その逆は人生に悪い結果が生まれます。魂は永遠に不滅ですから、その結果は死後の世界まで及びます。

 

地球上の進化の過程で、どの時点で動物が魂を持つようになったのか、わかりません。魂は永遠に不滅で、肉体は滅んでも、魂は生き続け、別の動物に宿ります。魂には過去からの原因、すなわち因縁が全て刻まれ、動物、人間は、過去、現在、未来と全て因縁で結ばれることになります。ここで言う過去とは、現在の宇宙物理学では宇宙ビッグバンまでさかのぼります。

 

 

 

国家的な因果の法則

 

国家的な災難は国民思想の悪化です。日本の歴史を見ると、日本は第二次世界大戦に敗れるまで、外国から一度も侵略されなかった世界でも例を見ない国です。日本人の国民思想は古来から概ね良好であった証だと思います。蒙古の襲来はその原因があると思いますが、台風がやってきて、蒙古軍を撃退するという世界史上の奇跡がおこりました。これも原因があると思いますが、いろいろ異論もあると思いますので、ここで述べるのは控えます。

 

世界の歴史を見ると、ヨーロッパ諸国のアジア、アフリカへの侵略は、植民地という形を取りましたが、南北アメリカとオセアニアは、民族大虐殺により、国そのものを奪いました。

 

この事実を因果の法則では説明できません。何とも言えません。

 

その他、人間の歴史を見ると大災難はたくさんあります。第二次世界大戦のナチスによるユダヤ人の大虐殺や、広島、長崎の原爆投下など、被害にあった方は、因果の法則とあきらめるわけにはいきません。戦争は大宇宙の法則である因果の法則では理解できません。この問題を解決できる方はいるのでしょうか。

 

 

 

人間の誕生

 

人間は誕生して、いつ魂が宿るのでしょうか。よくわかりませんが、母親のお腹の中で、精子と卵子が結合した瞬間ではないかと推測します。その時点で過去から持ってくる因縁は決まるのでしょう。人間の誕生は神秘に満ちていますね。しかしその後の体内教育、いわゆる胎教で魂に徳を付けると、生まれた時点で徳を備わった人間となります。胎教とは、妊娠中の母親の感情が子供の魂に影響を与えるというものです。母親が妊娠中日々感謝して、良い感情を持つと、子供の魂に徳が積めるというものです。仏教に限ると、写経するのも良いです。世のため人のために役立つ子供を産むという信念をもって、写経するということです。

 

妊娠中は母親の感情が子供の魂に乗り移るということでしょうが、科学的メカニズムは、分かりません。

 

 

 

人間の人生

 

人生の基本

 

人間の人生の基本は、大自然界の恩恵に感謝することです。人間は大自然界の法則の中で生かされており、土、水、太陽、空気の恩恵は無料で頂いております。これを当たり前と思わず、無料で頂いている以上、お礼を言うのは人間として生きていく上で当然のことです。大自然界にお礼を言えて、人間は大宇宙の一員として認められる存在となります。

 

 

 

人生の目的

 

人間の人生の目的は徳を積むことです。徳を積めば、良い因縁が魂に刻まれます。そうすると過去の悪因が消滅され、災難が小さくなったり、良いことが起こったりして、運命を変えられます。過去の悪因が消滅されるとは、別の言い方をすれば、先祖を供養することです。徳を積むことにより、運命を変えられるとともに、死後の世界も決まります。

 

 

 

徳を積む基本

 

長い人生を通して言えることは、徳を積むとは、感情をいかに冷静に保てるかということです。恨まず怒らず、日々感謝できるかどうかが重要です。人に悪口を言えば徳は減り、悪口を言われる方は、過去の悪因消滅できて徳は積めます。しかし悪口を言われて怒ったり、悪口を言い返しては徳は消滅するので、心を冷静に保つことです。

 

両親や先祖に感謝することも徳になります。特に子供時代、両親に感謝できると徳の高い大人になれます。母親は子供に、お父さんに感謝しなさいと教えることが大切です。

 

 

 

子供時代の生活

 

18歳までの子供時代は重要です。子供の使命は勉強や運動をすることです。これは大人になって徳を積むための準備です。本来子供は仕事をしたり、施しをして徳を積む必要がありません。従って、徳を積む必要のない子供時代に徳を積むと、何倍もの効果があるのです。

 

小学、中学、高校時代、学生は自分たちの教室や便所を掃除してきましたが、これらは徳になります。欧米の一部のエリート校では、掃除は掃除のおばさんの仕事で、エリート学生は掃除をしないという話を聞きましたが、もったいない話です。

 

私ごとで恐縮ですが、子供時代私は6年間新聞配達をして、バイト代は社会福祉施設に寄付しました。新聞配達という仕事は、早朝読者に新聞を届けるという社会に役立つ仕事です。さらに父親の靴磨きをして、父に足元から従い、父に感謝するよう教えられました。母親の家事も随時手伝いました。これらは、全て徳となります。恐らく一つ一つは小さな徳でしょうが、それを続けて積もり積もれば大きな徳となるという考えです。

 

 

 

大学生の生活

 

18歳過ぎると大人ですから、親から自立して、自分の力で人生を歩むことが普通になります。18歳すぎても親の世話になっては、徳は減ります。高校卒業後働けば問題ないのですが、大学に行く場合、アルバイトをして社会に貢献しつつ学費や生活費を稼いで、勉強と両立させないといけません。お金が足りない場合、奨学金を利用するか、親からお金を借りればよいと思います。アメリカでは、大学生の半数以上が親からの仕送りはなく、自分の力で生活しているということです。自立心が強いアメリカの大学生は、世界が見習うべきです。

 

 

 

大人の生活

 

大人になれば、仕事をして、世の中に役立つことが徳になります。主婦の方は家事をして家族を支えることも徳になります。子供ができた場合、立派な子供を育てることも徳になります。清く正しく誠実に生きていくことが、徳を積む基本です。

 

仕事を差別してはいけません。どのような仕事も徳はあると思います。欧米中心に外国では、チップという制度がありますが、これは仕事を差別している思想です。日本にはチップがないので、仕事差別思想は比較的少ない国だと思います。

 

どのような仕事に就くかも過去の因縁が影響しています。人間は何か原因があって生まれてくるので、それぞれ天から与えられた使命があります。使命を果たすため、与えられた各々の仕事を通して、社会に貢献していくことが重要です。中には自分の使命に気づかず、本来やるべき仕事がやれてない人間もいます。この問題の解決策は難しいですが、徳を積んでいつか自分の使命に気づく日が来ることを願うばかりです。

 

私は最近、病気により仕事ができず、生活保護を受けている方を知りました。仕事を通して世の中に貢献できない方々の運命を考えると、可哀そうな気持ちになります。過去の因縁が相当悪いのでしょう。そうした人間の生きる意味は何なのか、よくわかりません。しかし生きていれば病気が良くなり仕事復帰もできるかもしれませんから、最後まであきらめないことです。人生何が起こるかわかりませんから。

 

 

 

徳の結果

 

徳を積んだ結果、お金持ちになることは良いことです。お金持ちになれば、心にゆとりができて、感謝もできます。逆に悪いことをやって金持ちになったとか、金持ちになっても毎日怒ってばかりいるようでは、徳もなくなります。お金が全てではありません。徳を保つには、仕事を通して世の中に貢献するという姿勢が大切です。徳がなくなれば一代で築いた資産も晩年失うとか、もしくはその後の子孫の代で失うことになります。トヨタのように長く伸び続ける会社はどこに秘密があるのでしょう。豊田家の過去の徳が相当大きいのかなあ。あそこまで伸びれば、因果の法則を考えると、豊田家の過去の因縁が知りたいです。

 

徳を積んだ結果、出世できれば良いことです。出世して大きな仕事ができれば、世の中により大きく貢献できて、さらに徳が積めます。自分の努力してきた人生の結果に満足し、感謝もできます。しかし、出世のためには手段を選ばず、人の悪口を言ったり、人の足を引っ張るようでは、徳は減り、出世の意味もありません。

 

徳の成果はすぐ現れるとは限りません。人間の人生、失敗したり思うようにいかなかったり、困難なことはたくさんありますが、何年か過ぎた後、徳が花開くことも多いです。その時過去を振り返り、あの時の失敗のおかげで現在の成功があるとか、あの時は不幸だと思ったが、それが実は幸福になる原因だったとか、人生いろいろあります。因果の法則とは長い目でみないといけません。

 

出世できる人は、持って生まれた才能もありますし、世渡りのうまさなども関係してくると思います。嘘をついたり悪事を働いて出世する人もいます。まじめに徳を積むだけで出世できるとは限りません。しかしながら、仕事もできて人格的にも優れている方々が多く出世して頂ければ、日本国は繁栄します。世の中ぜひそうあってほしいものです。

 

 

 

過去の因縁による現在のすがた

 

元々お金持ちの家に生まれるのは、そうした過去の因縁があるからです。貧乏な家に生まれるのも因縁です。従って、どのような境遇で生まれてきても、過去の原因の結果が現在のすがたであるから、人間は皆平等です。生まれた時は普通でも、人生の途中で大成功する人もいますが、それは過去の因縁による徳か、現世で積んだ徳の結果か、どちらかかもしくは両方です。

 

過去の良い因縁により、生まれた時から幸せに暮らせる人がいますが、過去に積んだ徳は現世で少しでも油断すると、意外と簡単に消滅するものです。先祖がいかに優秀な方でも、自分の人生はゼロからの出発という意識をもって、日々努力していくことが徳を保つために重要で、子孫繁栄には大切かと思います。徳川家は15代続きましたが、何か原因があるのでしょう。

 

世界にはインドのカースト制度など不平等な制度があります。人間は因縁を持ち皆平等だからと言って、現存する不平等制度を許容するという意味ではありません。悪い制度が残る国は悪い因縁を持っている国だと思いますので、正していく必要があります。

 

 

 

さらに徳を積む

 

徳を積むことは、日々まじめに一生懸命働くことと感謝をすることが基本でありますが、もう一段高いレベルまで徳を積みたいものです。お金や物質を社会福祉団体などに寄付することは徳になります。お金は自分で稼いだものだから、自分自身のために使うのは自由だし、お金は命の次に大切なものです。それをあえて社会貢献に使うことは、大きな意味があります。寄付する金額は、各自の経済状況により無理しない範囲で行えば十分だと思います。無理して不満に思うようでは、寄付の徳もなくなります。さらに社会貢献活動や世のため人のためになる活動をすることも、徳が積めるでしょう。

 

 

 

困難の克服

 

人間の人生は災難や困難にあい、苦労が多いものです。しかし、災難や困難は過去の原因があり、過去の悪因が消滅されると悟り、怒らず騒がないことが大切です。逆に苦労は徳が積めると喜びに変えられると完ぺきです。しかし現実には、怒ったり、不満に思ったりすることも多いと思います。そうした困難を乗り切る方法の徳の積み方は、第一に、大自然界の恩恵に感謝して、自分の感情を反省する。怒ったり不満に思う心の罪を最小限に抑えるということです。第二に、お金や物質を施し徳を積む。不満が出ない範囲でわずかな額でもいいです。第三に、困難を乗り越えるべく一層精進することを誓う。といったことでしょうか。

 

 

 

実社会の因縁

 

実社会で関係する上司、同僚、部下も過去で何らかの因縁があります。良因もあれば悪因もあり、人間関係は複雑で困難を極めます。しかしどんな困難の立場になっても、腹を据えて堂々と落ち着いた態度をとり、仕事にまじめに取り組む姿勢が重要だと思います。悪因の人に対しても、恨まず怒らず、気持ちの持ち方は重要だと思います。

 

最近は転職をする人も増えました。転職する会社も因縁ですから、良因の会社に転職できるといいですね。転職で運命を変えていく人もおり、転職で成功するかどうかも因果の法則ですから、日々徳を積みたいものです。

 

 

 

家族の因縁

 

家族生活の中の夫婦、親子、兄弟も、皆過去の因縁で結ばれています。良因もあれば悪因もあり、困難も多いです。その中で、親子関係だけは絶対重要です。親子で憎しみあうのは、よほどの悪因でしょうが、何とか徳を積んで困難を乗り越えてほしいものです。最近は離婚する夫婦も増えました。夫婦間の悪因は徳を積んで乗り越えたいものですが、離婚により悪因を切ることも人生の手段としてあると思います。離婚により人生が好転する人も、世の中たくさんいます。

 

親が亡くなると、必ず発生するのが相続です。相続で親族がもめるのは良くありません。積んできた徳が吹き飛ぶと言われます。もめるくらいなら、相続放棄するほうがましです。私の母は、相続の話が出ると、真っ先に相続放棄をしていました。

 

 

 

娯楽について

 

人生を楽しむ、例えば、旅行に行ったり、海や山に行ったり、趣味を楽しんだり、いろいろありますが、厳密にいうと、楽しむことは徳を減らすことになります。しかし、人生楽しまなくては不満は積り、さらに徳は減ります。もちろん人間がレジャーを楽しまなければ景気も悪くなります。人生の矛盾するところで難しいところですが、感謝してレジャーを楽しみ、さらに仕事に精進するなど徳を積むことに心がければいいと思います。

 

 

 

老後の人生

 

私はまだ経験していませんが、私両親を見て感じることを述べます。

 

まず、自らの人生を振り返り、反省すべきことは反省することが重要だと思います。反省により、自ら犯した罪は少しは軽減できるのではないでしょうか。

 

何らかの仕事をしたり、ボランティア活動をしたり、社会貢献を続けることも良いと思います。老後も引き続き徳が積めます。

 

趣味を持っている人も多いと思います。趣味により人生に楽しみ生きがいを持って、日々感謝して過ごせれば、いいことだと思います。

 

以上、人間の人生の歩み方について述べました。

 

 

 

以下は今まで述べてきたことの補足説明を簡単に述べます。

 

 

 

相対の世界

 

アインシュタインの相対性理論は難しいですが、現実の社会生活に簡単に当てはめてみましょう。この世の中のことは全て相対的に働いています。相対性理論とは絶対的な基準がない、どんな基準も相対的に決まるということです。大宇宙の因果の法則、人間の因縁の世界も相対性理論と同じです。別の言い方をすれば、相対性理論により因果の法則は証明されたと言えます。人間は突然この世に生まれてきたわけではなく、過去からの因縁を持って生まれているのです。過去の原因と現在の結果を知ると、この世は相対の世界だと分かります。

 

 

 

遺伝と魂

 

メンデルの遺伝の法則によれば、親から子供には、肉体的特徴など遺伝します。しかし精神的特徴までは、遺伝しないようです。人間の精神的特徴がもし遺伝していると感じるならば、それは魂が原因だと思います。

 

人間は過去からの因縁持つというと、すぐ先祖からの因縁と思いますが、先祖からは遺伝は受け継ぎますが、魂による因縁は100%先祖からという訳ではないようです。

 

私は、遺伝による先祖から子孫に対する継承と、魂による先祖から子孫に対する継承との関係を長年考えてきましたが、未だよく分かっておりません。

 

ただし、これだけは言えるのですが、遺伝は人から人へ1対1で継承されますが、魂は、人から人へ、1対1に生まれ変わるものではありません。地球上の人口は増え続けていますので、魂が1対1の継承をすると、人間に宿る魂は足りなくなります。魂は分散して生き続けるものと推測します。

 

 

 

感情医学

 

人間は感情によって、身体に様々な症状が出ます。人を恨めば心臓が痛むし、悩めば胃腸が痛みます。その原因は何か。私は遺伝子の中に人間の感情に反応する物質があって、それが、各臓器に影響を与えるものだと推測します。人間は困難にあっても過去の因縁と悟って、怒らないことが大切ですが、自分の体の影響を考えても、感情をコントロールすることが重要だと思います。

 

 

 

あとがき(私の履歴書)

 

小林さんと母が出会ったのは、東京オリンピックの年1964年の5月、私はその年の815日に生まれています。母は小林さんと初めて会った時に、小林さんの話を信じたようです。当時私の父は家庭を犠牲にして遊んでいたので、母は夫を見限り、子供に人生を賭けようとしました。小林さんの指導通り、仏教の写経を真剣に書いたそうです。母は信じる気持ちが人の何十倍も強く、写経も通常の人間では想像できないくらいの真剣な気持ちでした。

 

私は18歳まで、小林さんと母から人生の指導を徹底的に受けました。子供のうちにたくさんの徳を積ませることが、小林さんの最も大切な教えの一つでした。本文にも書きましたが、新聞配達、バイト料の寄付、父の靴磨き、便所掃除など家事、父に感謝する事、大自然界に感謝する事などが基本です。もちろん勉強も一生懸命やりましたし、部活動もしていました。海や山にも遊びに行けず、旅行も1回行った記憶があります。その他言い出したらきりがない、細かすぎる指導を受けました。小林さんの考えは、日々努力しても、わずかな徳しか積めないが、それが長年積もれば大きな徳になる。わずかな徳でもいいから、できることは全てやるというというものでした。

 

私の将来の夢は医者になることでした。世のため人のために貢献できる一番の仕事は医者だと思いました。高校2年生まで成績は良く、医学部も十分狙える位置にいましたが、高校3年生になると突然勉強のやる気がなくなりました。小林さんや母に何度も聞きましたが、過去の悪い因縁が出ている。勉強だけやりたくない因縁だ、と言われました。私は毎晩外に出て、大自然界の恩恵に感謝して、家事の仕事も一生懸命やりましたが、勉強のやる気は戻りませんでした。母も、当時は悩んでいたようでした。成績は落ちて医学部はあきらめ、名古屋大学を受験し失敗し、1年浪人しても、勉強のやる気は戻らず、再び名古屋大学を受験しました。合格発表当日の朝、母が不合格になる夢を見ました。母は非常に残念そうで、私は夕方遅く合格発表を見に行き確認してきました。私は一生懸命徳を積んできても報われない気持ちになって、今までの人生は何だったのだろうと嘆きました。結局2次募集に応募して香川大学に入学しました。医者を目指した人生が、1年浪人してようやく生まれて初めて行く四国の大学の経済学部に入学する結果となりました。

 

しかし小林さんは、香川大学に入学することを、大変喜んでくれました。これはいい因縁だと言いました。私には、四国に修行に行きなさい、実社会に出れば、出身大学など関係ない、と言ってきました。私は当時、選挙ポスターにコートが掛かっている夢を見たのですが、母に説明を求めますと、選挙は中身はなくうわべだけの意味、コートも表面を覆うもの、従って、うわべだけ、表面だけで,大学を選んではいけない、と言われました。

 

大学生になって、初めて海へ行きました。小林さんに大学生になったらなぜ海へ行ってもいいか聞きますと、18歳になるまで伸ばせるだけ伸ばしておきたかった、と言われました。母からも、大学生になってまで私を縛り付けると不満が出るので、もう自由にしていいと言われました。大学生の時代にお酒が好きになりましたし、一人旅もよくしました。もちろん私は大学生の時代、親からの仕送りはなかったので、自分で稼いだお金で学費も払い、家賃も払い、生活もして、自動車の免許も取って、さらに遊んでいました。大学生の時、ゼミは財政学を専攻し、安価な政府を学び、卒論は大きな政府か小さな政府かでした。サークルでは英会話を学びました。これは将来生かされる時が来るかもしれません。

 

小林さんは大学2年生の時亡くなりました。高松の下宿で母から電報をもらい、急いで船に乗って本州に向かいました。船の上では号泣しました。人生で初めて泣きました。名古屋の自宅に戻ると、母は涙が枯れて出てこないと疲れは果てていました。私は事前に神通力により小林さんの死を知ることができなくて、情けない気持ちでした。小林さんの葬式の時、最後に棺桶が開きました。母が僕頑張ると誓って小林さんの胸に花を置きなさいと言ってきて、小林さんの胸に花を置いたとき、ものすごい反応が返ってきました。手から腕から顔まで反応があり、がんばりなさいと言われているようでした。小林さんは仏になりました。

 

就職は東海銀行に決まりました。その時私は、小林さんに反発する夢を見ました。母は、私が大学受験で失敗した時、小林さんに不満を持ったのだろうけど、就職が決まって、不満に思ったことを反省しなさい、と言いました。また、東海銀行は、私が卒業する前年から高松での面接を始めましたが、母は、私のために東海銀行が高松までやってきた、とも言っていました。

 

東海銀行時代の前半は苦しいこともあったけど、楽しい職場でした。新入行員の時代から仕事の実績も思うように伸びて、人間関係の問題からトップ出世はできなかったけど、概ね順調でした。人間関係の問題も過去の悪因だろうと悟り、割り切りました。小林さんは、社会に出れば出身大学は関係ないと言っていましたが、その通りだと思いました。私は小学生のころからよく夢を見てきましたが、社会人になると仕事のことと、人間関係の夢を多く見ました。実社会の荒波にもまれるとは、こういうことだったのかと。人間関係に苦労しつつ、東京、海外勤務を経験して順調にキャリアを積みましたが、想定外の名古屋転勤の辞令をもらいました。私が名古屋に転勤して間もなく母が亡くなりました。母の看病もできて、母の死に目に会うことができ、名古屋転勤はその意味では良かったです。

 

母は最後は意識不明となりましたが、私が昼寝を少しした時、母が夢に出てきて、私の顔を見て、今から行くと言ってきました。暫くして母は亡くなりました。母は60歳、母の神通力を頼りに多くの母を信じる方々が母の帰りを待っていたので、残念でした。私は母は日本一か世界一徳を積んだ人だと信じていますが、早すぎました。

 

母親の通夜の時、母の亡き父、河合寅吉さんが、お参りに来るのを天眼通で見ました。母は先祖が感謝する夢をたくさん見ていて、亡き父が感謝をしにお参りに来たのだと思いました。             

 

母の葬儀では泣きました。私の人生で泣いたのは、小林さんと母の葬儀、その2回だけです。母の葬式の日は日本晴れでしたが、夕方、空に雲が帯状に広がり、夕日に染まって雲がピンク色に輝きました。まるでピンクのじゅうたんが空にできたみたいで、天国への道ができたように思いました。母は仏になれました。

 

母が亡くなった後、結婚して、その前後から私の長い修行が始まりました、私は東海銀行の名古屋で人間関係の悪因により、悪口を言われ足を引っ張られ、困難を極めました。左遷され、だまされました。東海銀行に絶望し、転職しようと試み、外資系証券会社や大学の先生など、いろいろ挑戦しましたが、恐らく東海銀行などから様々な妨害に逢い、思うようになりませんでした。しかしなるべく文句を言わず悪口も聞き流しました。一度か二度くらいは怒りましたが。しかし悪口を言われ続けたことにより、山のような徳が積めました。転職活動は失敗続きでしたが、なぜか名古屋銀行だけ成功しました。当時、妻は、東海銀行もまさか名古屋銀行に行くとは思わなかっただろう、とつぶやいていました。私の転職の理由は、東海銀行の会社自体に過去の悪因が詰まっていると考え、会社と縁を切りたいというものでした。悪い因縁を切って、良い結果が出る人はたくさんいます。しかし私は運命を甘く見ていて、転職後も東海銀行とは縁が切れず、転職した名古屋銀行でも次から次へと悪因に襲われました。私の人生修行は想像以上に困難を極めました。その後もいくつか転職しましたが、たくさん悪因に襲われた結果、悪因消滅により徳は積めたと思うし、今まで知らなかった世界もたくさん見られました。大学講師を知り、社会福祉の世界を知り、非正規の契約職員も経験し、契約切れで解雇され、ハローワークに通い、中小企業の事務も経験、安月給となり貧乏人の気持ちも分かり、中小企業は人手不足と収益力も弱く、働き方改革もできてないことがわかりました。精神病院にも入院し、さまざまな入院患者さんと話し、視野が広がりました。いろいろな経験ができて、現在不幸に思えることも将来役に立つことがあるかもしれません。人生、先々何が起こるか分かりませんし、因果の法則は長い目でみないといけません。

 

私は実社会で苦労した結果徳が積めたと書きましたが、根拠があります。この間、先祖が感謝する夢を数回見ています。徳が積めて、過去の悪因が消滅できて、先祖供養ができました。また、数年前、天耳通(天の声)により、お母さんよりたくさん徳がつめたと言われました。人生苦労する事は大変ですが、その分結果がでます。因果の法則です。

 

私は障害者の子供を持ちました。これも過去の因縁ですが、障害者を持つ親は、過去の因縁としてあきらめられません。私は一生懸命徳を積んできたので、悪い結果が出て、ショックを受けました。この意味をどう解釈するか、私という人間が天から試されていると思いましたが、その後子供の使命がわかりました。私たちは結婚後、しばらくして夫婦仲が悪くなりましたが、障害者の子供のおかげで、離婚はできませんでした。妻と婚姻生活を継続した結果、大変な人生の困難を経験し、その結果人生修行を通して徳が積めました。現在、結婚生活は15年以上となり妻との関係は最悪で、子供も大きくなりましたので、離婚に踏み切ります。妻と結婚した目的は終わり、離婚してもいいと天から言われている気がするのです。私の子供は特別な使命を持っているようですが、一般の障害者も生まれてくる使命はあります。就職できる方もいますし、作業所の仕事もあります。また、障害者の人生を通して、家族や関係する周囲の方々が、自分の人生を学ぶこともできます。障害者も生きることにより徳を積めます。

 

苦労が多い中、いいこともありました。母は生前、42歳の厄年には、今まで生きてきた人生の一つの結果が出る、と言っていました。その年、私は名古屋大学大学院に入学できました。学生時代に受験に失敗した大学で、学ぶことができました。さらに当時考えた金融理論を論文で発表できました。将来の金融界に大改革が起きるかもしれません。

 

人間の過去からの因縁の話をしてきましたが、自分が過去の時代に行った原因が分かれば、人生は分かりやすくなると思います。過去の原因がわからないので、不幸なことがおこれば、不満がでるのです。

 

仏教の本に三明六神通という神通力の話があります。神通力があれば過去を洞察できるので、過去の原因を知ることができます。そうすれば人生ある程度は納得できるでしょう。小林さんは完ぺきな神通力者で、母もかなりの神通力を持っていました。当時の私は人生のほとんど全てのことを小林さんや母に聞いてきました。私以外の多くの小林さんを信じる人たちも、小林さんや小林さん亡き後は母に質問攻めで、皆さん完全に自分の人生を頼っていました。多くの人々にここまで役立つことができると、人間は仏になれます。

 

偉大な先人たちを失って、私は今、自分の力で人生を歩んでいます。人生の基本は教わりましたし、私にも多少の神通力があるので、困難な状況になっても、間違わないようしっかりと生きていきたいと思います。

 

最後に小林さんから聞いた話で思い出になっていることを少々書きます。

 

小林さんは、大神通力者。相談すると、時には私の心を見て洞察し、時には天の誰かとお話していました。小林さんには何が見えて、何が聞こえるのか、誰と話しているのか、詳しく聞きませんでしたが、私は神の存在を信じるようになりました。

 

小林さんは現実主義者。ある時母が、父の上司にお歳暮を贈りたいので、何がいいかと尋ねたところ、この男はお金に困っているから、現金がいいという答えが返ってきました。この話を聞いて、少し笑いました。

 

ある時、小林さんの教えを聞きに、若き夫婦が2人そろって来ました。もちろん小林さんは丁寧に対応したようですが、その後母に次のように話しました。実社会で働いている男は、小林の話などばかばかしくて聞けるか、と反発するぐらいの男の方が、実社会で伸びる。母は、もちろん私みたいに、子供のころから小林さんの話を聞いて育ってきている人間は例外だと言っていました。男の立場から考えると、実社会の荒波にもまれ、世界の最先端で働いている人間にとって、確かに宗教の話は、ばかばかしく思えます。人間は、清く正しく生きて、あとは精一杯努力して社会に貢献できれば、社会人としてはほぼ合格です。日本人は宗教を信じない国民ですが、自らが確固たる人生観を持ち、信念を持って生きることができれば、それでもいいと思います。定年退職後、時間があれば宗教や哲学の本を読んで、自らの人生を反省し、さらに徳を積む方法が見つかれば少しでも実践していけば、よろしいのではないでしょうか。ただし女性の立場で家庭の主婦の場合、夫を支えるとか、良き子供を育てるということであれば、小林さんの教えは大変参考になったはずです。実際、小林さんや母のところに相談してくる方は、ほとんど女性で主婦の方々でした。

 

小林さんは、人間の心、魂は、大自然界と直結している。毎日毎日が真剣勝負、危機一髪だと言われていました。私はこのことを本書で、人間の魂と生活する大自然界とは、因果の法則で結ばれていると書きました。小林さんは、少しの心の乱れでも無視をせず、必ず大自然界の恩恵に感謝して反省して、40円でも140円でも、少しの金額でいいから、寄付をしなさいと言われました。ちなみに4という数字は悪い因縁を切るという意味です。毎日毎日の小さな悪因消滅を続けて、それが積もって大きな徳となるという考えです。私は子供の頃、この教えをしっかり守ってきましたが、最近は怠慢により人生に緊張感がなくなってしまいました。

 

人間の魂が最初に宿るのは、精子と卵子が結合した瞬間と、本文では書きましたが、小林さんは夫婦がセックスして喜びが大きい時にできた子はいい子が生まれると言っていました。通常精子は卵子に結合する時、精子のしっぽの一部は途中で切れてしまうそうですが、夫婦の喜びが大きいと、精子は丸ごと卵子と結合すると言っていました。また妻がセックスを断ってはいけないとか、子供をつくる時は、セックスは正常位じゃないといけないとも言っていました。私が学生時代、どうしても気が合わない友達のことを相談すると、この子は正常位でできてない、という答えが返ってきました。

 

魂が人間から人間に移ることを、魂の結集と呼んでいました。母によれば、人間の魂は心臓のあたりにあって、小林さんの見た神通力によれば、人間は死んだ後、魂は別の人間のおでこに結集すると言っていました。当時日本で一番有名な医者、名古屋大学の勝沼精三先生からも魂の結集の話を聞いていると言っていました。ちなみに、私は小林さんに、私の今後の人生で、私が魂の結集を受けることがあるか聞きましたが、私の人生が順調に伸びれば、結集はないとの返事でした。

 

小林さんは、細胞の中に核があり、その中に染色体があり、その中に遺伝子があり、その中に何かがあって、さらにその中に本性があると言っていました。私は今でもこのことが分からない。本性と魂の関係は何か。本性とは子孫に遺伝として受け継がれるものか、など。もう少ししっかり教えてもらいたかったと、大変後悔しています。

 

さすがの小林さんも、戦争について、因果の法則では説明できないと言っていました。小林さんの弟が戦死しているのです。小林さんのお母さんが夢に出てきて、戦死した弟のことを心配してきたので、急いで弟の供養をしたという話も聞いています。

 

小林さんは、私の将来を期待してくれていました。一流の人間なら、石井君の本性はわかるはずだ、とか、石井君は大器晩成型だとも言われました。人生とは大海に向かう船のごとく、左右から波が襲ってくるが、乗り越えなくてはならない、など私の将来についても予言していました。小林さんは、江戸時代に母の先祖に有名な学者がいて、その因縁で、母の孫の代で世界的に有名な学者が出るとも予言していました。その学者とは、私のことかもしれませんね。私は母の子供の世代になるので、少し間違えたかもしれません。ついでに私の母も私の将来を予言していまして、私の人生は最後の最後だと言っていました。小林さんや母の予言が当たるといいですね。

 

小林さんの苦労話はよく聞きました。食べるものもなくなり、兄弟そろって川まで行って自殺しようとしたこともありました。弟や妹を全て結婚させて自分は最後30歳で結婚しました。名古屋大学病院看護師時代、一番早く出勤し、たんつぼ掃除を全てやり、勝沼先生から仕事は毎日危機一髪と教えられたそうです。その後名古屋市内で産婆を開業しますが、毎日危機一髪だったそうです。母も大変苦労しています。私が10歳の時、大病して医者からはもう命はないと言われました。母は苦労する度に、これを機にさらに伸びると確信していったようです。私は社会人になって、いろいろな人を見てきましたが、お父さんが社会的に立派で一流でも、子供はいまいち伸びてないケースが散見されました。恐らくお父さんは苦労して経験を積んで、伸びてきたのだろうけど、子供には自分のような苦労はさせたくないと、苦労させない方が多いのです。社会人としては一流だが、父親としては三流ということでは、日本の将来は心配ですね。

 

小林さんは人生には理屈では理解できない様々な大自然界の法則があって、それを研究した人でした。小林さんが発見した大自然界の法則は、母がノートに書いていましたが、今はそのノートが見つかりません。もったいない話です。小林さんは、私が20歳の時亡くなりましたが、もう少し私が早く生まれていれば、もっと教えを学べたと思います。私は小林さんの教えの半分程度しか、学べていないと思います。私はできることなら、小林さんの教えを世界に広めたいと思います。小林さんの教えは、仏教に限らず、世界中の人に受け入れやすい教えだと思います。私は天国にいる小林さんに一言いいたい、あなたは本を書くべきだった。後世に教えを残すべきだった。

 

小林さんは日本の将来についても心配していました。日本は将来、アメリカの植民地のような国になってしまう。私は、日本国の財政破綻を心配していたと理解しています。本書で、国家的災難は国民思想の悪化と書きましたが、現在の日本人は、自分さえ良ければいいという考えが横行しています。その結果が、国と地方を合わせた財政赤字1000兆円以上となりました。今後少子高齢化がますます進む中、日本国の将来を真剣に考える時がきました。

 

 

 

本書を読んで、皆様の人生の参考になれば、幸いです。

 

 

 

石井 均